第2回:

ほろ苦でキュンっと甘い思い出なの




どうも、どうも〜。私がケンですよ〜。
いやはや、お久しぶりですねぇ!

『星』の本、以来でしょうか?
それとも、『骨』の本、以来でしょうか? あの本達から幾年経つのでしょうかね〜?
あれれ〜存外、かなり経過していませんか? 時の流れというのは、時に残酷ですね〜。


あれっ。なにか……私の顔に付いてます?

えっ? ひとつ前のお話で、私の……株が、いくらか下がったと。さっきのお話って、何でしたっけ?
まぁ、まぁ、良いんです。汚れでも……それまた、結構なので。



さて、今日もまた、ちょっとした小話を、ひとつ。




腐れ縁の犬・れのと、『夢』の世界で再会する前……。

最後に現実世界で会ったのは、ちょうど私が、今の、りのんちゃん位の年齢の時でしたね。
ん? 年齢の表現がなんとなく分かりづらい? それは昨今の……非実在の……青少年なんちゃらかんちゃら〜で、ミセーネン……っていうか……まぁ、まぁ。どうか、大人の読者様にはご理解を願います〜。

れのは私にとって……これは何度かお話して来ましたが、『夢の世界へ入れるステッキ』……という呼び名の、ただの星のついた装飾ボールペンをくれた、恩人……であり。

実を言うとそれ程、縁は古くはないのですが、幼馴染的な……雰囲気を醸し出しており。

加えて、その〜、ちょっと思春期においての昂まりや、好奇心で……モニョモニョしてしまったことも、あり。
 
それが起きたからと言って、恋人になるとか、関係が特別になるとか……意識し合うとか、ギクシャクするとか……そういった発展や、トラブルも無く、本当にお互い、ただの好奇心で……はい。


だって、れのですから。
今でこそ、れのは正式に、私の恋人となりましたが(りのんちゃんもね!)、あのような破天荒なじゃじゃ馬と、お付き合いしても、疲れるだけ……友達で居たってこんなに疲れるのにね……って、当時は思ってました。



いっとき別れる前に、最後に会った時のれのは、金髪のぶち犬でした。
今のれのが装着している、大仰な猫耳のヘッドドレスは着けておらず、髪型は、ソフトモヒカンでした。

れのの自毛は、白に茶色のぶち模様です。そうです、茶色のぶち犬です。モロクソ雑種です。私と同じですね!


ね? 『ムラサキコイヌ』なんて、いないんですよ!


昔のそのハードちっくな金髪も、今の淡くゆめかわいい紫色も、自宅で、薬局で買ってきたセルフカラーの液剤で、染めているだけなのですから。

まぁ……私も、実を言うと、白い部分が脱色している部分で、地の毛色は赤紫に近い、ピンク色の雑種犬なんですけどね!
ははっ、驚きました? ヒントは、『夢』の世界で私が人となった時、頭の後ろの刈り上げの部分や睫毛は、濃いピンクや赤に近い色なんですよ〜。


はい、笑うところです〜。
えっ? ビックリして笑えなかった? やりすぎ? そうですか。
自分では、お気に入りの色なのです〜! ふふ。それって私の感想ですよね? ははは。


まぁそういった訳で……れのの当時の格好は、正に、おばあちゃんっぽく言うと「愚連隊」・普通に言うと「暴走族ちっく」・悪く言えば「ハンシャすれすれ」でした。

なんか……こんな事を言ってしまうと、『当時は口が悪くオラオラ〜な性格で〜……キレると怖くって〜……』とか、そういうお話が始まりそうな雰囲気を醸し出してしまいましたが……。
その時の、見た目はヤンキーでしかありませんでしたが、喋り方とかは、そりゃあもう幼い頃から、ずっと「なのなの〜」でした!
また、れのの、「かわいい声でいたくて、自分の声帯をぶっ潰した事案」は、比較的早い時期のエピソードだったので、声も、今と同じ……かわいくて聴いていて癖になる、魅惑のウィスパーボイスです。


そして、「自分は、とてもかわいく、見目麗しく、愛されるべく生まれた存在!」ということに、絶対の自信を持っていることも、幼い頃からから変わらずでした。


だもんで、なんか……私は、ヤンキーとか……そういう恐ろしい集団は苦手なのでね、ちょっとも関わりたくもないですし……だから、れののつるんでいる友人や交友関係とかは、よく知ろうとしませんでしたが……れのは、れのに惚れ込んだ手下をい〜っぱい従えて、所謂なにかそういった若者の集い(警察に行為を見つかるとゴニョゴニョなアレ……)の、頭といった格を……張っていたようでした。
そして毎日毎日、思うがままにブイブイ言わせ、れのにメロメロな男女問わずの部下達を、虐めたり、セクハラしたり、あまつさえ性的行為を……存分にしてましたね。


「スレスレとは言え、ハンシャ的なのは流石に幻滅した……もう、ピコれの本なんて、どうでもイイ……」となりましたか? それとも、「れのならば、納得だね!」と思われます〜?


もし呆れちゃっても、最後まで読んで頂けたら、私は嬉しいですけどね!
まぁ……ちょっとこの本の途中の文章でなんかイイ感じになっても、このご本の中では、れのが改心するというラストは、迎えないかと……私の主観ですけど、思いますが……。


そんな訳で、悪の見本市! な、『イッツ・ア! 男! (悪の!)』の道を、驀進していた、れのだったのですが……。



はい。お話は、犬のケンのほうに、戻りまして……。

私が十七になった時、世間への見聞を広めたい……という思いから、両親と話し、一人、実家を出ました。
それから暫くの間が開いて……まぁ、まぁ、色々なことが! そりゃあもう……ありました!



何しろ、念願の! 夢のパレェドの王子様に……再会! 


そして私は、その王子様……りのんちゃんという、かわいい恋人が出来ました。エヘヘ〜……照れちゃいますね! ブイ!


その後ほどなくして……りのんちゃんのリクエスト・「『れの』に会わせろ!」により……『夢』の世界へ、りのんちゃんの『鍵』のふしぎなパワーを使って、初めて、れのを招待し……。


私もれのと、劇的再会! した、その時は……。



れのは! まるで……女の子の姿に……なっていたのです!



お喋り口調は、相変わらずの「なのなの〜」の、ウィスパーボイスでしたが……人の姿となったれのは、腰までの艶々フワフワな長く美しい黒髪、お嬢様か? お姫様か? 清楚で上品な印象の、クラシックな……ロリータの、紫陽花柄のエプロンドレスを翻し、そして濡れた睫毛の奥の瞳に咲く、鮮やかで色のくるくる変わる紫陽花の青や黄緑色の花……。


呆気に捉えましたね。何があったら、人はこんなにも変貌できるのか?

てっきり、何かとお騒がせなハンシャ的な漫画の、登場人物みたいな……背は小っこいけど、恐怖のハンシャすれすれ男子が、爆裂に登場してしまうかと思っていたのに……。
これは流石に予想外でしたね。れのは、「女の子みたいになりたい」等ということは、口にしたことはありませんでしたし……。

というか……今でも、そういった「女の子への憧れ」のようなことは、実はれのは、微塵も、思っていませんね! 断言できます。

これは、地元に居た時にれのが言っていたことでしたが……。
「オンナは、損なの〜! れのは、男に生まれて良かったの。今、培った人脈によって、知った人物を、男女構わず次々抱いていくのよ。かわいくハッピー! なにか失敗してもれのにはダメージは無いし〜……楽々に、セックスして、人生、超イージーモードで、かわいく攻め攻めに生きていくの〜」


……とかいう世迷い言を……あの〜、この発言……コンプライアンスとか、大丈夫ですか? これ、どう考えてもこの現代に於いて、ダメそうですよね。再録する時にこれらの文節を削るかもしれないと、メモ、しておきますね。

クズ・オブ・クズ!
このように……『男』のいいとこ取りをして、オプションにかわいさ発揮して、そうしてずっと、れのは生きていくものかと思っていました。



私は、『夢』で、りのんちゃんの居ないタイミングを狙って、流石に……本人に尋ねました。

「れの……ひとつ聴いても良いでしょうか? 随分、見かけが変わったようですが……。会わない間に、なにか、ありましたか?」

見た目女の子になっちゃったれのは、かわいい声で言いました。



「しゃら〜っぷ。ころすの〜」



どうやら、見た目については……質問御法度の様子でした。
その理由付けとして、れのにも……流石に、りのんちゃんには、過去の姿を知られたくないという思いも……あるようでした。

でも、様々なお話を繰り返す内に、変貌の理由は、自然と明らかになってきたのです。


「れのは〜れのなの。でも、れのは、『おんなの子』になっちゃったの!」

私が地元を出た後に……れのは、いつもその首に装着しているゴッツイ首輪の持ち主である、『ピコ』なる女性と、電撃的な出会いを果たし……。
遂には、ヤンキー思想もかなぐり捨て、『おんなの子』と、なった……というのです。



れのから、直接聴くことの出来た、その出会いの思い出秘話を……ここに、明らかにしていきましょうか。







「気持ちわりぃ〜……ウェェェ〜……えれれれ〜……」

この犬は、れの! 私が出会った時の、りのんちゃん(おっと。ビリノンちゃんとも言いますね!)と、同い年。



はい。いきなり、ゲロ吐いてます。

埃っぽく熱気に包まれた……熱帯夜。
ここは、すっかり夜も更けた、真っ暗な……秋葉原の路地裏。
れのは、空気も澱んだ夜中のゴミ捨て場にぶっ倒れて、盛大に……吐いていました。
「ヒヒヒッ……ミセーネン者どころか、大人もダメな○○○○は、最高に○○るの〜! ゲロ吐いてもお釣りが来るの〜! ふふふふっ……うぇぇ……おろろ〜……」


あの〜、今の台詞、ちょっとかなりまずいところがあるので、聴かなかったことにして頂けます? 私が勝手に話しておいて、何ですけども……。
その〜、『○○○○』に嵌る四文字は……恐らく、『またたび』じゃないでしょうかね? 猫は、またたびで酔っちゃうでしょう? 犬も、そういうところが、個体によって、あったり、無かったり……まぁ、個人差なので……とか、いう事に、しておいて頂けますか? よろしくお願いします!


「人生、パラダ〜イス! なの! このまま死んでもかまわないの〜! ゲヒャヒャヒャヒャ……」

生ゴミ袋と一緒に、大の字に寝っ転がって、れのは虚空へ叫び、思う様笑いました。
……こんなパラダイスって、あります? なんか……人の黒歴史を話してて、こちらが恥ずかしくなってくるんですけど。所謂、共感性羞恥ってやつです?


そんな、ラリって夢心地のれのに……突然の! ……大量の、冷水!


……バシャーッ!

「オイ! アタシの店のゴミ捨て場で、ゲロ吐いてんじゃねーヨ! クソ犬っころ!」



カーン! れのの前頭葉に、空っぽになったバケツが、投げつけられて……見事に、そりゃもう良い音を立てて、ヒットしました!



そう……お察しの通りです。この、勝気で、そしてとってもキラッキラなオーラを放つ白い猫さんこそ……『ピコ』ちゃん!




これが、おふたりの、運命の……出会いだったのです。





「んん〜? アタマ、いったいのぉ〜……なんか、ちんちくりんでブチャイクな、猫の幻が見えるわ。今日は予後が良くないの〜」

「幻じゃねーヨ。お前、誰の許可取って、うちの店のゴミ捨て場を荒らしてくれちゃってるの?」
「……ふえぇ〜……分かりまちぇん……れの〜、ミセーネン者なので〜……ノット・ギルティなのです〜う〜ん……ちょっと、れの〜具合が悪いみたいなのぉ〜……」

れのは、かわいこぶって誤魔化そうとしました。
ぶっかけられた水は、お店の排水らしく、れのの綺麗な金髪の毛皮から、ポタポタとゴミ捨て場に落ちていました。

ここは……華々しい表通りから路地に入ったところにある、所謂、オトナの玩具とか……大衆向けなジョークグッズや、男子も着れちゃうコスプレ衣装などを売っている……明るく陽気で楽しい性のお店の、裏手のようですね。
そこがピコちゃんの、アルバイトの職場です。所謂、ショップ店員さんですね。
オトナのショップですね!


「……。……今、『れの』とか、言ったかな?」
「れのは〜れのなの〜。ちんちくりんで寸胴の猫とは、お喋りもしたくないのよ。それに、なんだか……オネムになってきちゃった。おやちゅみなさぁ〜い……」



自分のゲロまみれのまま、話の途中で眠りにつこうとするれのの……無防備なお腹に……わっ! 猫ちゃんパンチが、クリティカル・ヒット! これは、テラオモスです〜。

「うぇっ!……えれれれ〜……」
「続きのゲロを吐いてる場合じゃねーゾ! アタシ、アンタを探してたよ……『れの』。」


健康的まっしぐらな、ふっかふかの真っ白な毛並みに、鮮烈にキュートでド派手で誰も見たことないような、新機軸のかわいさを持つデコラアクセを沢山着けた、ちょっぴり寸胴体型(ゴメンナサイ)な白猫ちゃんの……先程まで、大人の落ち着きを保っていた瞳に、怒りの炎が燃え上がりました!



「『れの』! よくも……アタシの大事な友達……リンを、傷付け貶めたな! 労働で償いなさい! もしくは、ココでアタシにヤられちゃいな!」



不吉な、真っ赤な満月を背後に背負って……小っちゃい筈の白猫の体は、憤怒に駆られ、れのよりも随分、大きく見えました。


えっ。白猫ちゃんは、まさかの……れのの、何らかの人間関係の、関係者。これには驚きますね。

「リン? ……あーね。一回だけね。でも、一回だけよ。しつこい子は、きらいなの〜」
「その一回に……どれだけの事をしたか、忘れたか? あれから、リンは、おかしくなっちゃったヨ! アンタのせいでな!」


白猫さんは、れのの罪状を、これでもかと列挙し、ブチ撒けました。
まず……白猫さん……はい、ピコちゃんですね。ピコちゃんの、お友達の女の子・猫のリンちゃんは、この玩具屋さんの系列店で働く、良い子のメイドさんです。(コンセプトカフェのね。)

リンちゃんは……例のれのの、ゾクだかクミだかゴニャゴニャ……を、……取り纏めるリーダー・れのに憧れてしまい、一度きりの夜を共に過ごしました。
その際、れのの、すぺしゃるてくにっくに、すっかりメロついてしまったリンちゃんは……そのたった一度を忘れることが出来ず、生来の真面目さをすっかり失ってしまい、夜な夜な、様々な男と、相手構わず関係するようになってしまったのだそうです。



ピコちゃんの怒りは、そこに至るまでの過程にもあり……。


その、れのとの一夜の時に、れのは、プレイと称し、リンちゃんがお召しになっていた……メイド喫茶で稼いだ、大切なバイト代で買った、高価であり大切な『どりらびクラシック』のドレスを、ビリビリに引き裂いて、あまつさえ、精子などで汚すなどして、女の子の尊厳を奪った……と、言い放ちました。
これはひどい〜。ドン引きです〜。
『どりらびクラシック』、親ブランドの『どりらび』よりも、大分、お高級で、仕立ても良いそうですよね……服装には、やや無頓着かな? な、私の耳にも入ってくるくらいの、女の子たちの憧れのドレス。
(普通の『どりらび』のお洋服だったら、私も何着か持っておりますよ〜。メンズもあって、和柄も多いですし、小物などもなかなか気が効いてると思い、少々お気に入りなんです〜)


しかし、展開は斜め上を行き……。
真面目ちゃんなリンちゃんは、その刺激的プレイに、悲しむと言うよりかは……ハプニング的な興奮を過剰に抱いてしまったそうで……そう、普通のセックスでは、満足が出来なくなっているのです。


お友達がそんな状態で、毎夜、取っ替え引っ替えして遊び歩いていたら、ピコちゃんは、さぞや、心配でしょう……とても、悲しいでしょう。


「あのさ〜。リンは、真面目なコだったから、免疫っつーものが無かったのね。だから、全部アンタのせいだヨ! リンに土下座して謝りな! それと、当然ドレス弁償!」
「男たるもの〜、土下座など、出来てたまるかなの〜。リンが、ヤバいおセクにハマったのは、れのキッカケ……だったかもだけど、いずれは、そうなる運命だったのよ〜オンナというのは、そういう側面が誰しも〜……」
れのが、ダルそうに……そう答えると……ピコちゃんは、猫耳に装着していた、鋭利なイナズマのでっかいアクセサリーを片手に掴むと……れのの耳を掠めて、『壁ドン』ならぬ、『壁グサ』しました! れのの、毛並みが、少しだけ……削り取られ、はらり、と地面に落ちました。

「黙りな、クズが! オンナを分かったような口効きやがって! お万死だわ! ……アタシが、『ほんとうのオンナ』を、教えてやるヨ! 来な!」
「えぇぇ〜……ちんちくりんの猫には、おちんちんがピクリともなの〜折角のお誘いだけど、そもそも今夜は、さっきのアレのせいで、よく勃たないし……」
「大丈夫。むしろ、それでこそだから」



ピコちゃんは、ゴミ捨て場かられのをグイッと引き上げ、首根っこを掴んで、夜のネオン輝く妖しげな街並みへと、ズルズルと引きずっていきました。


「いたいの〜……お背中の毛が、むしれちゃうの〜」


れのは、どこへ連れて行かれるのでしょうか?
ネオンの灯った繁華街、恐ろしい真紅の満月が二人を見下ろし、これから、何が起こるのかな?






はいは〜い、お話手は代わりまして、れのなの〜。


先程からケンが、れのの、衝撃の! 過去を、バクロしてしまったみたいなの〜。ほよよ〜ん。
でも、こんなの、大したエピソードじゃないの。よくある、若者の〜黒歴史的な……まぁ、断片でしかないの。


だってココから先はね、ここまでのグダグダと違い、めくるめく! 煌きの世界なのよ! 乞うご期待!


あのね、まず先に言っておきたいのは、この本は……ケモ〜……な、小説本とは、ちょとビミョーに違うのね。だから、いつもの同人誌の『夢』の中で人となった姿での、えちちな描写よりは、ちょっぴり抑え目になってるということを、言っとくわ。
でも、それをもってしても、この輝きの思い出は、色褪せないの……。うっとり。


ネオンがピカピカ、頭はふわふわ、頭上の月はなんだか不吉で恐ろしく……その夜に初対面の、ちんちくりんで寸胴の、大したことなさそな白い猫の女の子のピコに、ズルズル〜って引きずられて行った先は……石造りの壁が無骨な、地下室……みたいなところ。
引き摺られて階段を下りるのは、流石にお背中痛かったけど、体調が良くなかったから、抵抗できなかったの。



月の光の差さない、牢屋……のような、大仰な鉄格子の奥に、背もたれが『×』ってなってる椅子があってね……。
その〜、ゴミ捨て場に倒れる手前の出来事で、何回も言うけどちょっと体調がね……良くなかったれのは、『×』の形に、そっくり嵌められて、両腕を上に広げた形で、その禍々しい椅子に、いとも簡単に、これまた大仰な、鎖で! 拘束されてしまったの。

これから……お顔を殴られたりとか、腹をパンチされたりとか(さっきされてたし〜)、そういうことがあるのかにゃ〜?
でも、白猫はちっこいし、威力はそんなに無さそ……隙を見て、反撃を……とか、思っていたら。



「アンタの抱き方が良くないから、リンはああなっちゃったの。なんかのヘッドか知らんけど、アンタは『攻め』としては、残念だけど、大したこと無いんだワ」
……くそ〜、なんか、口頭で、激しく煽ってくるの〜悔しいの〜。でも……牢屋的な……お部屋の中に、なんかが焚かれてて、甘い香りが鼻から入ってきて、もともとクラクラの頭に……ふわふわふわふわが……。


鎖を外そうとしてガチャガチャしても、そもそも手に力が入らないの。
足首も同様に拘束されていて、じたばたモチャモチャ、することしか出来ないの。



「舐めなよ」
「んぐっ……!」


ほわほわ視界に、白い猫のシルエットがボンヤリ。れののお口に、指を突っ込まれたの。

くそ〜、ならば犬のプライド! その指、噛みちぎってやる〜……そう思ったのに。
お口の中をね、指でくるくるされて、舌や内側を、ツツーッ……ってなぞられたら。

なんか、涎がね、止まらないの。椅子にガッチリ留められてぜんぜん動けないから、しつこくそれを繰り返されていたら、なんか、なぞるラインがキモチ良くなってきて……。


「舐めれる? ほら」


ぺろ……、アレ……? なんか、れのの方から、指を、舐め返していたの。


「良くないよ。アタシが良くなるようにやれ」

一直線に命令されて……気付いたら、ぺろぺろ、夢中で、白猫の指にしゃぶりついてたの。



アレ〜? ふぇらして、ご奉仕してるみたい? いつもは、下々の誰かに、れのにご奉仕させる側なのに?
「だから。良くないつってんだろ」




ばしっ。



平手で頬を叩かれたら、はたかれた中央の部分が、ジンジン熱くて……。
口から涎が出ちゃって、恥ずかしいんだけど、だらだら、口からこぼれるのを止められないの。




その繰り返しが……どの位の時間、続いたのか……頭がくらくらして、れのには分からないの。



一生懸命、ご奉仕して、殴られて、ご奉仕して、殴られて……。
お口の中も、猫に殴られた場所も、トロトロで気持ちイイの……。

もっと、もっとれののお口の中、ぐちゃぐちゃにして欲しいの。


「へたくそ。そんな体たらくで、性豪を気取りやがって。もう、お前はいらない子。『おんなの子』になって、堕ちちゃいなヨ」



『×』に固定された、れのの、あぁ、そんなところに……なんか、見たことのない、まるが沢山連なってる器具が……少しずつ、埋め込まれる。


なんでか分かんないけど、このちんちくりんの猫に、抵抗できない……。
こんな小さな子猫、いざとなれば暴力で解決〜って思ったけど、その、ビジョンが、今は全く頭に描けないの。
「先に言っとくけど、反吐が出るから、前は触ってやらないからね。イきたかったら、自分で勝手にイって」


れのの、おちんちんが、痛くなってドキドキ硬くなって、雫で泣いてるの。
でも、触ってくれないって。どうして? どうして?


まるの、いちばん太くなってる部分が通り過ぎる度、そこは勝手にきゅうきゅう動いて、もっと、もっと欲しいって、れのの気持ちとは違う風に反応する。
信じられないくらい挿れられて、お腹が、いっぱいになっちゃったの。形に拡げられて、つよい圧迫感で、目がチカチカ……。


「……つらいよぉ……でも……これ……気持ちイイぃ……」


なんか、もう、気付いたらそう言ってたの。だらしなく、吐息が止まらず、涎がまた勝手にお口から垂れてくの止まらないの。


「なんだ……折れるの早いじゃん。でも、初めてだから、これじゃイケないよね。そんなキミに……すぺしゃるプレゼントをあげよう」




『×』の椅子から、気付けば解放されてたの。

腕も、脚も、ちからが入らないの……。


頭がすこ〜し、ハッキリしてきたら、れのは冷たい石の地面に座って、白い猫の腕に、抱かれていて……。



「見てごらん。新しい『れの』の姿だヨ」



さっきからずっと気付いていたけど、豪奢なフレームのとても大きな鏡に、すべてのことが、写し出されているの。


れのは……あれ……?




かわいくって、とっても綺麗で……煌びやかな、素敵なドレスを、着ているわ。

かわいい……フリフリで、ふわっふわで、キラキラ輝く、花嫁さんみたいな純白の、ロリータのドレス。
それと釣り合いの取れないような、勃起したおちんちんと、お腹に挿入された、エグい器具。
釣り合いの取れないって今言ったけど、これは……すごく、えっちなの……。


白い猫は、言いました。

「『れの』は、自己責任も取れないので、今日から、『おんなの子』です。男にも、女にも、なれません。アンダスタン?」


言って、はぁはぁが止まらないれのを抱いて、いきなり、お尻の器具を激しく動かしました。
「……ぁあ〜っ!きゃ……んん〜……!あぁ〜…! っ……」


なにこれ、なにこれ、頭が、頭がおかしくなっちゃうの〜!

何も出てないの。射精してないの。でも、脳の……中が、ダイレクトに、ちかちか、パチパチ、花火……みたいに!
「ぁぁあ〜!やめ……やめて……な……な……なにょ……」
火花が止んで、今度は、頭の……脳の中身が……トロットロなの……ふわぁ……なんなの?
誰かにキモチ良く中出ししたって、「ざまぁ〜」くらいの快楽しか無かったの。


あぁ〜。もう……死ぬ? 死ぬの? ヌッころされてしまうの? 気持ちイイ……。


「『なの』が、言えてないね。『おんなの子』の、れのは、かわいいおべべ着て、『なの〜』と言いましょう」


くちゅくちゅ、中を擦られて、また、また、射精してないのに、何度も、何度も、イってるの……! やめて〜怖いの〜!
「……は、はい……な、な……なの、な……」

白猫は……れのには、さっきまで、くそチョロで小生意気に見えていた猫は、キラキラの、イケメンに見えましたぁ。



「……かわいいお洋服を着ようネ。『どりらびクラシック』は、好き?」



「ふわ……しゅき……しゅきです……ぁ……出させて……」
「うるせーよ、アタシは触らないって言ってるだろ!」


また頬をバチッ! って叩かれたら……余りにも、余りにも、それは熱くて……。


「……ひゃんっ!……あぁっ……あぁ〜んっ!!」

れのはお勉強キライだから……人体の仕組みって分からないんだけど、お脳の中と、おちんちんが反応して、両方が、イっちゃいました。


大きな……縁の装飾のかわいい鏡に、精子でどろどろになった、ふあふあのスカートを履いているれのがいました。

「ぴぇ……汚れちゃったぁ……」



涙が……ポロポロ、止まらないの。

「『ご主人様』の手を汚さず、イけてエライね。そのドレスは、お前にやるよ」



白い子猫が、ほろほろ涙と精液まみれのれのを抱いて、れのの頭を、それはもう優しく、ナデナデしてくれました。



 
その時は……もう既に、ちんちくりんの白い子猫は、ただの白い子猫に在らず、れのの、『ご主人様』だったのです。



この出来事は、れのの今までの、チョーつまんない人生からしたら、宝物のような……きゅるんきゅるんでキラキラした、まるで美味しい果物の宝石でした。




それから……「お前は、管理がめんどい!」という、ご主人様を、なんとか口説き落として、れのは、『奴隷のひとり』にさせて頂いたのです。




この、ぴんくの首輪は、その関係性の、契約の証。

この首輪ってね、もう、ぜったいに外すことが出来ないの。
だからいつでも、常時、なう、ご主人様に、遠くにいたって、管理されていることが出来るのよ。


りのんちゃんの『夢』に招待された時だってね……人の姿となっても、この首輪は、同じ。


『かわいい』ことって……こんなに大切だったのね。


れのが、まったくおバカだったの。
もしかしたられのは……秘密だけどね、素敵なドレス着たリンに、激しく嫉妬してしまったのかもしれなかったのなの。だから、あんなことを……。


その後、ご主人様のかわいいお耳に憧れて……おっきな猫耳も、お気に入りのヘッドドレスに、装飾しといたわ。

それから……リンには、ゴメンナサイしたの。今のれのには……ひとに頭を下げるくらい、ヨユーなわけよ。
今までの、『男』のれのの人生、さようなら〜。プライドばっかの、つまんない日々、バイバイ!




これがれのの、ほろ苦・思春期すとーりーよ。


でも、ご主人様との初めてのあの夜は、甘くて甘くて、何度思い 出しても心が、体が、キュンってしちゃうの。


素敵。れのが……あのことで、ようやく、れのとなったの〜。





……先程まで、れのの過去をお話してくれていたケンが、今のお話に、なんかドン引いてるので、ケンにはお返しせず……。




れの・胸キュンすとーりーは、ここでおしま〜い! なの〜!


ふるぱわー!












☆つづく☆